ホーム> 生活ガイド> まちづくり> 都市景観> 都市景観賞> 平成6年度 蒲郡まちなみ景観賞>受賞作品
<蒲郡プリンスホテルと竹島橋>
(講評) ”東海道にてすぐれたる、海の眺めは蒲郡”と鉄道唱歌に歌われている、その蒲郡駅に列車が近づ
いたとき、海側の車窓から、松の茂った丘陵の上に、緑青を吹いて輝く銅板葺き屋根の城郭風建物が建っているのが
見える。
これが、多くの文人が愛した蒲郡ホテル、現在の蒲郡プリンスホテルである。何よりもまず蒲郡を印象付ける風景
であり、蒲郡になくてはならない風景である。
又、竹島橋から見る城山と蒲郡プリンスホテルの眺望は素晴らしく、「青い海には橋があり、緑の山にホテルがある。」
この景観は蒲郡のシンボルと言える。
このホテルは滝信四郎が昭和9年に完成させた、日本最初の国際観光ホテルで昭和55年に市に買収され、この建物
の保存再生案は二転三転したが、昭和62年にプリンスホテルとして往時の姿を残したまま再開された。蒲郡の風景
が残されたことは、蒲郡にとって幸いであった。
<現代建築と白壁の蔵>
(講評) 古い民家や蔵が残っている平坂街道に面して立て替えられた住宅が、周辺に調和した形で建築されて
いる。敷地内に建っている古い白壁の蔵を残し、この蔵のたたずまいを意識してデザインされている。外壁はコンクリート
打ち放しであるが、奇をてらっておらず、蔵の白壁と良くマッチしており、大変落ち着いた外観となっている。
古い街道の家並みの風情を損なうことなく、積極的に調和を計り、既存の風景を生かすことを考えている住宅と言える。
<セイラス蒲郡>
(講評) 平成6年に第49回愛知国体ヨット競技の会場となった海陽町の公園用地に面して建て替えられた、
トヨタ自動車の社員保養所である。
屋根、バルコニー、外壁に曲線を生かした外観は蒲郡らしい優しさを感じさせるものとなっている。外壁の白いタイルは
、バックの山の緑によく映えると共に、建物の形態は、白い船をも思わせる。マリンスポーツのメッカとしての蒲郡に良く
似合っている。
今後、周辺が開発されてゆく場所なので、地域の建物のデザインをリードして行く役割を果たしてくれると思う。
一度利用してみたいな、と思わせる施設だ。
<バカボンズハウス&デザインハウス>
(講評) まず、名前がユニークで面白い。蒲郡にふさわしい小ぎれいな建物である。幹線道路がからやや奥まった
所にあるので知っている人は少ないかも知れない。店舗兼住宅と事務所の2棟の白亜の建物がL字形に建っている。建物の
前面にオープンスペースを設け、ここに芝張りの築山を配してムクノキ、エノキなど新緑の美しい中木と、四季折々の花
が植えられている。
街角の憩いの場としてつくられており、夜間のライトアップや、季節によっては、ツリーにイルミネーションも飾られ
、道ゆく人びとに親しまれ、何とも心暖まる雰囲気の場所となっている。
<竹本油脂 本社屋>
(講評) 今、蒲郡駅の周辺では新しい蒲郡の都市の顔をつくるために、区画整理事業や、鉄道高架事業が行われている。
敷地の一部が駅前広場となるのを機に、建替が行われて、蒲郡駅前に現代的なビルが姿を現した。この建物が、竹本油脂の
本社屋で事務所や研究所等が入っている。建物の規模は新しい駅前のスケールに合っている。
切妻屋根の6階建ての外観は、屋根とサッシュがこげ茶色、外壁のタイルがチョコレート色にコーディネイトされている
正面玄関側の妻壁の、Tをデザインしたものである。北面にあるマル本、胡麻油、竹本油脂の看板は、いかにも老舗を思わせる
ものとなっており、看板にも落書きがある。全体として風格のある蒲郡らしい建物になっている。
街区に良い建物、すぐれた景観が生まれ、その周辺もレベルがあがることが期待される。今、進み出した蒲郡駅南の再開発
の良いお手本になるだろう。
<動物愛護病院 ココロ>
(講評) 「ココロ」は、動物を愛する「心」から名づけられた動物病院である。
外観はすこぶるユニークである。鉄骨造3階建の軽快な造りで、1階のピロティーは玉栗石敷の駐車場、2、3、階
部分は、大きな硝子のはめてある四角な箱が、積木の様に角度をずらして積んであるという構成になっている。奥の平屋部分
の屋根の上にはクランプ網で造られた様な、半球状のドームが乗かっていて、夜間のライトアップで軽やかな形が闇の中に浮
き上がってくるようになっている。蒲郡の町は夜景も美しくなくてはならない。夜景の魅力を高めるのに一役かっている建物
である。
<板倉実業>
(講評) 国道23号に面して建てられている。小規模ではあるが、ちょっと目をひく建物である。コンクリートや
ガラス等建材を扱う会社の事務所と聞けばうなづける。
玄関ホールのグレーの硝子を通して、白い石膏の彫塑が見える。一見するとアートギャラリーかと思える。
外観の擬石パネルと大きなグレーの硝子の構成により造形的でシンプルなファサードが出来上がっている。
前面のインターロッキング舗装と樹木、低い背のプラントボックスのグリーンもオープンスペースを心地よくしてくれる。
<市川邸>
(講評) 黒っぽく仕上げられた堅板羽目張りと真っ白な小壁、妻壁、いぶし瓦の屋根は、モノクロの落ちついた和風
住宅を作り出すのに成功している。
変化のある屋根組、平屋建てだが天井が高くなっている様だ。外部の建具として木製建具がはめられている。窓の外には、
竹の簾が掛けられており、落着きを与えている。
敷地まわりには、堀などなく、建物のまわりには、木の切り株をくり抜いて並べた様な花壇があり、四季折々の花が植えられ、
道ゆく人びとに安らぎを与えている。玄関の床タイルには打ち水がなされ、清々しい。
住んでいる方の心が偲ばれるような、たたずまいである。
<三谷温泉下の階段式護岸>
(講評) 三谷町(みやちょう)の若宮公園から三谷温泉をへて、大塚町の海陽ヨットハーバーまでの間の海岸線
が親水性の護岸によって整備され、海の都市、蒲郡の魅力を高めている。
かもめの飛び交う街灯や床に張られたタイル、背景となる松林などとの調和も良い。
また、整備された規模も大きく、山が海にせり出している場所なども、市民が家族で安心して散策できるようになり、
自然とふれあう場所になっている。
階段式の護岸や砂の寄っている部分があり、海と市民との接触が深まることが期待される。
<肥川(こえ川)の親水性公園>
(講評) 市街地の中を流れる小さな河川は、都市化の進展と共に汚れが目立ちはじめ、どぶ川と化している所が多い。
肥川では川の親水性を増すため川の一部を利用し、せせらぎとポケットパーク、花壇、植栽等を配した道をつくる工夫がなされ
ている。
肥川が寺戸公園に接した部分では、階段護岸をつくり、川へ入れるようになっており、川と人とのふれあいが考えられている。
せせらぎでは、地元の人達が、金魚や鯉を育てている。車優先でない、人にやさしい道が誕生している。
川の親水化のこころみは蒲郡市で始めてのものだが、この計画が引き金となり、今後こうした施設が増えてゆくことに
なるであろう。
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